うちの人に「処女膜やぶったことないくせにー」と言われた・・・

うちの人が神奈川の方の管理物件をリフォームして、指をざっくり切って帰ってきた。人差し指の先を爪と平行に深さ3ミリくらい。

まだ血が止まっていないので、医療用接着剤で傷口をできるだけ閉じてから湿潤パッドを貼ることにした。

「じんじん痛むよー。それ塗ると痛いからやさしくー」
とかいうので
「だいじょうぶ。処女膜と同じで痛いのはほんの一瞬だから」
と落ち着かせたら、とんでもないこと言われた。

「処女膜破ったことないくせにー」

・・・説明しよう。うちの人は頭の中にちょうちょを飼っており、日本語をうまく操れないのだ。しかし、さすがにぼくがあっけに取られて数秒間の静寂をもたらすと、自分の発言が微妙な意味にとれるものであることを理解したようだ。

「処女膜・・・破れたことないくせに、なのー」

ぼくは目を彼女の手の傷に落として、静かに言った。
「そうか・・・破ったこと、ないか・・・」
言うや否や、傷口の上に容赦なく大量の接着剤を絞り出した。彼女は悲鳴を上げた。

「痛いか! 痛いか!
 よく痛みを味わえ!
 処女膜どころではない、心の痛みを!」

※ぼくはわるくない