会社辞めて会社はじめる理由

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きのう付で正式に前職の会社(? 日本語ヘンだな)を退職しました。詳細は別途書くけど、きょう付で一人会社を立ち上げます。ということであんまり前向きな話じゃないけど、いちおう「なんでそんなことに?」という顛末を。

会社を辞めた直接の理由は、社内で特定の人とちょっとしたもめごとがあったことです。その節は何人もの上長の人たちに時間を割いて話し合ってもらって「こうすればいいんじゃないか」と対応していただいたりして。ありがたいことで、まったく「おまえは辞めろ」とかいう話はなかったのだけれど、

  • 自分としては、今後組織にとってリスクになる種を残して迷惑をかけたくなかった
  • 会社というのはスキルベースではなくて、ヒューマンリレーションシップだけで成立していると思っているので、そこに障害を起こしたくなかった。自分に人望がないことにかけては右に出る者のない自信があるので:)
  • マネージメントラインに変更がある時期だったので、ぼくがいなくなるほうがラインが整理されてちょうどよかった
  • どうせ「パーツ」として可換性のある仕事については手順書などをまとめてあるし、ほかの信頼できるスタッフの人たちに十分まかせられると思った
  • 相手が女性だったので、これ以上もめて家族に心配をかけたくなかった

ということで、「ああ、こりゃ辞めたほうがみんなラクだわ」と判断したと。一週間くらい辞めるか辞めないか検討したので、わりと時間かけたほうです(えっ?)。

ただ、そういう直接の理由というのは自分にとってはどうでもよかったりします。もともと土壌としていくつかの理由があったりするわけで。

そのひとつは、もともとぼくがフリーランサーだったこと。実際、会社員として仕事をしていた時間より自営業者として生きていた時間のほうが長い。ただ、残念ながらある日フリーランサーとして「働く目的」というものを見失ってしまったため、会社員に戻ることにしたのです。

真剣に働いている人には失礼きわまりないけれど、会社って、出社すると目的とは関係なく仕事があります。ただ仕事すればいい。これって、ぼくみたいに壊れちゃった人にはとてもありがたいことです。だから、自分の中で働く目的がちゃんと見つかって自分が治るまでは、会社の周りの人の役に立つようにがんばりながらリハビリ(語弊があるけど)しよう…治ったら、また…と思っていました。

もうひとつはなまぐさい話。会社員に戻ったとはいえ、ぼくはジョブホッパーだったので、そうそうお給料は上がりません。じっと待っててもいいけど、会社だと「定年」というステキな制度があってコンティニューできなくなります。

いっぽうで、自営業者の場合はほどほどにがんばればがんばるほど売り上げは上がります(ちなみにぼくは過去の自営業者時代の最盛期年収を超える会社で働いたことはないです。上場企業でも上級管理職以上じゃないと超えないと思う)。そして、生きていれば自分の好きな仕事をいつまでも続けることができます。つまり、生涯収入の問題と「いつまでも好きなことをしていたい」という気持ち、が理由としてあったわけです。

三つめは、なんとなく壊れた自分も治ってきた中で「ちゃんと会社つくってみるか」と思ったこと。むかし、ぼくは「他人の人生を左右するような責任は負わない」という弱腰なポリシーがあって、法人をつくったことはありませんでした。インキュベーション施設で仕事していたおかげもあって、ひととおりの起業知識はあったのですが…。親が引退したら家族会社でもつくるか…程度の展望しかありませんでした。

でも、この年齢になってみると、「どうせ作り方もわかってるんだし会社くらい作っておいて損はないなー」と思ったのでした。よく考えたら、会社辞めるかどうか検討してるんだし、タイミング最高じゃん。一人会社なら他人の人生を左右したりしないし。

…と、顛末をまとめるとこんな感じなのです。

そうカッコよくもなく、業界で知名度もない人間が、こういう記事を公にさらすというのはどうかと思うけど…。たまたまこのサイトにたどりついて、ちょっと代表者に興味をもってくれた人が、ぼくの人となりを判断する参考になればと思います(善し悪しどちらでも)。

とゆーことで、これから会社を登記してきます。