低スペックWindowsタブレットで勝つるには?
|「TransBook型落ち品、マジオヌヌメ!」で紹介した T100TAM-DK015P などまさにそうなのですが、Windows 界隈ではさいきん、低スペックな Windows タブレットが大量に市場に供給されています。
- CPU Atom Zなんとか
- メモリ 2GB
- 内部ストレージ 32GB(eMMC)
これで、USB/Bluetooth 以外の拡張性は皆無。ただ、お値段が1~2万円となると自然と手が伸びちゃうんですよね。で、買ってから「意外と使えない…」と後悔する。
そんなの甘すぎる! 男たるもの、いちど買ったものは使い潰すまで使いまくるもの! というわけで、前述のようなスペックの Windows タブレットを使いこなす、定番設定コースをお伝えしましょう。
とにかく大容量のmicroSDを買ってきて刺す
問答無用! いまなら128GBのやつを買ってきてください。あきばお~か上海問屋が 6,000~8,000円で売っています。これらのお店のノーブランド品はいちおう完動品なので問題ありません。
そして、以下のとおりに:
- microSDを適当なマシンでNTFSフォーマットする
exFATとかじゃダメです - microSDスロットをハメ殺しにする
フォーマットしたカードをスロットに刺して、もう二度と抜かない信念をもってください。あなたのタブレットには、最初からスロットなどなかったのです! 今後microSDボリュームをD
と呼びます
なにをしたいのかというと「microSDを疑似的に増設ドライブに見立てて内蔵ストレージ容量を増やす」のが目的です。CドライブにあるデータをmicroSDに逃がしてくれば、32GBの規制がだんだん緩まってくるというわけですね。
ただし、以下のような制限があります:
- microSD を完全なローカルドライブとして扱うことはできない
これを解決する手法として「日立・IBM製microdriveのドライバを転用する」というやり方が流行っていますが、64ビット版ドライバが存在しないためもう利用できません - microSDに直接置いたアプリはタスクバーにピン留めできない
なんでこんな制限があるのかわかりませんが…。回避法はあります - microSDにページングファイルは置けない
置けるように見えますが置くと死にます
microSDにファイルを逃がす!
すぐいっぱいになってしまう非力な C ドライブから、以下のようにファイルを逃がします:
D:\TEMP
・D:\IE_TEMP
ディレクトリをつくる
それぞれ一時ファイル置き場、Internet Explorer キャッシュ置き場です- システム環境変数 TEMP/TMP・ユーザー環境変数 TEMP/TMP を
D:\TEMP
に書き換える - 「インターネット オプション」でキャッシュ保管場所を
D:\IE_TEMP
に移動する
移動後、強制ログオフさせられるので注意 D:\C
フォルダを作成
Cドライブから逃がしてきたフォルダ・ファイルを置く場所です- NTFSシンボリックリンクを作成できるツールを導入する
コマンドプロンプトからもできますが、GUIツールがあると間違いがないでしょう。シェアウェアのEXPLZH をインストールすると、右クリックドラッグ&ドロップのコンテキストメニューに「シンボリックリンクを作成する」ができます D:\C\DProgramFiles
フォルダを作成D:\C\DProgramFiles
からC:\DProgramFiles
にシンボリックリンクを張る
アプリケーションインストール時にC:\DProgramFiles
を指定すると、C ドライブにインストールするように見せかけて実体は D ドライブに存在するようにできます。Office などの大物はココにインストールしましょう- このやり方をするとWindowsを騙して、実体がmicroSD上にあるプログラムもタスクバーにピン留めできるようになります
- Cygwinなどインストール場所がほぼ固定されているものはあらかじめ
D:\C\Cygiwn
とフォルダを作成→C:\Cygwin
にシンボリックリンク作成してから、インストールするといいでしょう - チャレンジングな方は、C にすでにインストールされているフォルダをまるごと
D:\C
に移動して C へ元通りシンボリックリンクを張るという手もあります。ただし、システムがつかんでいるファイルは移動できませんし、Windows を壊してしまう可能性もあるのでご注意を
ところで、ちょっと Windows に詳しい方は、
- CドライブとmicroSDでスパンボリューム作れないの?
- microSD上にVHD作ってCドライブとスパンボリューム作れないの?
と疑問に思うかもしれません。…残念でした。できません。できるとサイコーなんですけどね。
ハイバネートをオフにする
システム状況をハードディスクに保存して電源を落とす「休止状態」=ハイバネートですが、Windowsタブレットでは、
- そもそもスリープによる電源管理が高度にできているのでまず使わない
- ハイバネート用領域を C ドライブにしか取れない
ということで使う意味がありません。
- 「電源」オプションから「休止状態にする」オプションをすべて「スリープにする」へ変更
- 管理者権限のコマンドプロンプトから
> powercfg /hibernate off
してハイバネートしなくする
ようにしましょう。これでメモリ容量分、C ドライブが空きます。
インデックスとBitLockerをオフにする
Windowsのハードディスクの中、検索してますか? ぼくは整理魔なのでほとんど検索しないです。そう考えると Windows についている検査用インデックス作成用「インデックスサービス」は
- ストレージを消費する
- タブレットの動作を一時的に重くする
という二点で不要です。「サービス」から自動起動をオフにしておくといいでしょう。
また、セキュリティとのトレードオフになりますが「BitLocker」をオフにすることも検討したほうがいいです。
BitLockerを使っておけばタブレットを紛失しても内蔵ストレージが暗号化されているため情報漏えいの危険性が低くなります。しかし、
- ストレージの読み書きにそれだけのCPUパワーを消費する
ということになるので、ミッションクリティカルな用途で使っているのでなければ不要かもしれません。オフにしましょう。ただし、オフにした場合は重要なファイル・パスワード類をタブレット内に置かないようにしましょう。
タッチキーボード・パッドを快適にする
キーボードがないときのタブレットにとって、画面表示されるタッチキーボードのデキは重要です。
Windows のタッチキーボードはけっして出来が悪くはないのですが、
フルキーボードではないので数字・記号類の入力がしづらい
つまりプログラミングなどは事実上できない、という欠点があります。
そこで、オプション設定でタッチキーボードを物理キーボードと同じ配列になるようにしておきます。
右チャーム→「設定」→「PCとデバイス」→「入力」→「ハードウェアキーボードに準拠したレイアウトをタッチキーボードオプションとして追加する」
もうひとつ。いざというときはタッチパッドやマウスがあると便利なのですが、タブレットではもちろんついてませんね。
そこで、フリーソフトを使ってべんりな「スクリーンタッチパッド」を装備してしまいましょう。
インストールすると、半透明でサイズ変更可能なタッチパッドが画面に現れ、ホンモノのタッチパッドのように操作できます。
ちなみに TouchMousePoint はフリーソフトですが、寄付をすると「タッチキーボードを半透明にする」機能がついてきます。オススメです。
ペンを買う
Surface や ViVoTAB にはデジタイザペンがついていて、画面に自由自在に図を描くことができます。Windows タブレットの魅力のひとつです。
「♪だけど ぼくのタブレットにはペンがついてない~」
という方におすすめなのが別売りペンです。ただし、ペン先がヘコヘコした1,000円前後のやつ。あれは論外です。買ってもすぐゴミ箱行きなのでやめましょう。
おすすめするのは、Adonit の Jot です。
Jotのペンは先に小さなディスクがついていて、正確なポインティングができ、なおかつなめらかな線を引くことができます。安いものから高いものまでいろいろありますが、まあとりあえず手の届くものを買えばよいでしょう。
ただし、国内で代理販売をしていたプリンストンが契約を打ち切ったようで正規販売しているところが見当たりません。Yahoo! ショッピングや楽天市場で検索して、アウトレット品を買うとよいでしょう。
ちなみに筆者がオヌヌメなのは「Jot Pro Dampening」です。
ということで、ここらへんまでやると「ぼくだけのさいきょうのWindows タブレット」ができあがったと思います。Windows タブレットはとにかく安くてそれなりの質を提供してくれるのがうれしいです。うまく選べばオフィス用途にも活躍しますよ。ぜひ活用してみてください。